弁護士 齋藤健博

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離婚とお金のことに、悩まないでほしい

離婚で一番悩ましいのは、お金のことかもしれません

●夫の浮気が原因の離婚の場合、受け取れる慰謝料はどれくらい?
●結婚生活中に夫名義で購入した自宅に、離婚後も住み続けたい
●別居が始まってから夫が生活費を入れてくれないため、子どもの学費が支払えない・・・

慰謝料とは?

結婚生活の中でパートナーの行為によって精神的苦痛を受け、離婚に至った場合、その傷ついた気持ちを慰めるために「慰謝料」として金銭を請求できる可能性があります。

離婚原因や状況によっても慰謝料の相場は異なりますが、例えば不貞の場合は、相場は概ね数十万円~300万円程度です。実は離婚が成立していない場合でも、慰謝料請求は可能です。婚姻年数が長い、また不貞行為の回数が多いなど悪質な場合は、まれに300万円を超える慰謝料が発生することもあります。

不倫相手への慰謝料請求は可能?

浮気・不倫に関する慰謝料の支払い責任はパートナーと不倫相手の双方にあるので、両者に慰謝料請求をすることができます。また、パートナーだけに請求することもできますし、パートナーと別れずに、不倫相手だけに請求することもできます。

ただし、不倫相手が、パートナーが既婚者であることを知らずに浮気をしていた場合は、不倫相手への慰謝料請求はできません。その場合、慰謝料請求ができる相手は自らのパートナーのみとなりますので、注意してください。

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財産分与

財産分与とは、結婚してから夫婦で築き上げた「共有財産」を、離婚の際に原則「2分の1ずつ」に分けることです。具体的には、預貯金、保険、株券、投資信託、貴金属、不動産などが共有財産となります。将来受け取れるはずの退職金や年金についても含まれます。

どちらの名義になっているのか、どちらが経済的により貢献したのか、などの事情は関係ありません。収入を得ていたのが夫のみで妻は専業主婦であったとしても、妻は家事や育児を担当することで夫の稼ぎに貢献していたものと考えられるため、財産は夫婦二人のものとなります。

ただし、「特有財産」として「共有財産」に含まれない財産もあるので注意が必要です。具体的には、独身時代に手に入れた財産や、相続した財産(生前贈与された資産も含む)、個人で築いた財産(個人的な趣味やギャンブルで築いたもの)は、離婚後もあくまで個人のものとなります。

借金がある場合はどうなる?

プラスの財産だけではなく、借金などのマイナスの財産も共有財産となり得ます。

学費や車のローン、住宅ローンなどの大きな債務をどう分けるかが問題となることがありますが、売却できるものについては、ローン残高と売却したときの差額を出して分けることが一般的です。

ローン残高が上回る場合、つまり差額がマイナスになる場合には、離婚する前に物件を売却し、マイナス分をほかの共有財産(現金や預貯金など)をあててローンを完済する方法が考えられます。

財産分与の決め方

共有財産の確認を行い、財産分与について話し合いがまとまったら、支払い方法について取り決めます。現金であればそのまま分けることができますが、不動産などは必要に応じていったん現金化したあとで分けることもできます。

財産分与について取り決めたら、支払う月日、金額、期間、方法などをすべて文書にして公正証書にしておくことをおすすめします。公正証書にしておくと、支払いが滞った時に強制執行(差押え)などの手続きをとることができます。調停や離婚裁判で支払うことが決められた場合も同様に、調停調書や判決に基づいて強制執行ができるでしょう。

また、離婚後2年以内であれば、財産分与を請求できます。「共有財産のリストに漏れがあった」「自分の把握していない共有財産があった」など、新たな共有財産が発覚した場合は、一度取り決めた内容が変更できる可能性があります。

婚姻費用

「別居しても、小さな子どもがいて働けない」「生活に困るから別居できない」と別居をためらう人がいますが、別居中の生活費はパートナーに「婚姻費用」として請求することができます。

婚姻費用には、食費・光熱費・家賃など全ての生活費が含まれます。家庭内別居のように、同居している場合でも、夫が生活費を渡さない場合は婚姻費用の請求が可能です。婚姻費用の請求額については当事者の話し合いで自由に決めることができますが、話し合いで金額が決まらない場合は、家庭裁判所に「婚姻費用分担請求の調停申立て」を行います。

金額については、家庭裁判所が参考にしている算定表があるので、おおよその目安を知ることができます。今後の生活に関わることですので、共働きの場合はもちろん、専業主婦の方などは特に不利益のないようにしっかりと確認しておくことが大切です。

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